青い堀

2020/12/23

県庁での打ち合わせのために、お堀の中に入っていく。ここにはかつて福井のお城があり、どうしたら自分の藩を良く保てるかを真剣に考えて日々を過ごすお殿様がいた。中でも私は、忠直と光通が好きで、二人共随分と時代と周辺の振り回された人だったし、だからこそ悩んでいたんじゃないかって、勝手に妄想してしまう。お堀には福井の空襲の時に焼け爛れた人々が落ちていったと言うし、痛々しささえ感じる場所なんだけど、昨日のお堀は青くて美しかった。県庁の箱の中ではコツコツと悩みながら仕事に向かっている人がたくさんいる。私もそこに加わりながら、たいそうなことはできないけれど、手札が擦り切れるまで破れても、あと一枚あと一枚と出し続けられたらと思う。